山口の大腸がん治療実績のある病院
大腸がん近い将来、胃がんを抜いてがんのトップになると予想されているが、成長が比較的遅いため治りやすく、早期に発見して治療すれば、ほぼ100%で完治する。ただ、自覚症状が出にくく、血便があっても痔だと判断して受診が遅れ、進行がんで見つかることが多い。便潜血検査や大腸内視鏡検査で早期発見をすることが大事。
大腸がんの進行度(ステージ)は大きさではなくどれだけ粘膜の下に食い込んでいるかで判断される。がんが粘膜の下の粘膜下層に1mm以上食い込んでいると、リンパ節に転移している可能性があり、がんを含む腸管を大きく切除する手術が必要になる。しかし、がんの粘膜下層への食い込みが1mm未満と分かれば、肛門から入れる内視鏡による切除で済ませられる。
ポリープ型のがんは、根元にかけたワイヤに高周波電流を流して焼き切る「ポリペクトミー」。平坦で比較的小さながんなら、粘膜下に生理食塩水を注入して病変を隆起させた後、ワイヤで焼き切る「内視鏡的粘膜切除術」(EMR)で切除される。しかし、大きさが2cmを超えると一度に切除できず、「内視鏡的粘膜下層剥離術」(ESD)が登場した。粘度の高い液体を粘膜下に注入し、がんを浮かび上がらせた後、ITナイフやBナイフと呼ばれる特殊な形状の電気メスで周囲に切り込みをいれ、がんを一度にそぎ取ってしまう。
患者への負担を減らすため、腹部にあけた数か所の小さな穴から、カメラや切除器具を入れて行う腹腔鏡手術は、手術後の痛みが少ないなどの長所があるが、医師の技術差が大きい手術法である。
直腸の下部にできたがんは、肛門を残せるかどうかの判断が重要。最新の技術を用いれば、肛門から2〜3cmの直腸下端にできたがんでも肛門温存は可能だが、そのような手術を行う病院は少ない。直腸下部の手術では、肛門を締める括約筋の多くを切除せざるを得ないため、無理に肛門を残すと、ひどい便失禁に悩まされる。肛門は残っても、手術後の便失禁は、日常生活の大きな妨げとなるので、納得いくまで医師と話し合いたい。